西むらの栗蒸しようかん
またまた和菓子トピックです。
三大どら焼きの一つ、浅草の亀十さんのお隣にある龍昇亭西むらさん。
かなり歴史があるお店だそうですが、亀十さんの行列とは対照的で、客入りはまばら。(というかほとんどなし)でも、そこもまたよし。メディア戦略も大切だけど、和菓子一筋でやっていけるその腕のよさもすごい。
お菓子やさんって他のお客がいないと入りづらいと感じてしまうので、これまで何度かお店を遠目から見ていただけでした。なので、ようやく勇気を持って入店!
どら焼きと栗ようかんで迷う。むらさきいもようかんも捨てがたい。
決められず、脳がフリーズ。
結局「生」と書かれている札にひかれて、栗ようかんをお持ち帰り。ようかんならば、数週間くらい保存できるかと思いきや、お店の人に聞くと日持ちは数日間とのこと。せっかくなのでパックされてるようかんよりも、旬の今だからこそ、のものをいただきたいし。日持ちしないのは、余計なものが入っていない証拠だな。
風情のある包装です。ほのかに印刷の匂いがする。
見た目は知ってるけど、開封するときのなんだろうかこのドキドキ感。包装の威力だろうか。期待が高まります。
栗栗栗栗栗栗栗栗栗栗栗栗…(略)
栗も目立つけれど、滑らかなあんこにも注目。見てください、このお上品な肌つやならぬ、餡の感じ。サラッと餡。
栗も甘露煮のツヤっとしたやつじゃない。かといって、和菓子によくある奥深い栗風味はない。栗本来の自然な甘さに少しだけ和菓子の要素が加わっている。栗の甘さも餡の甘さも控えめです。
「栗」と付くお菓子ははりきりすぎて、他の味よりも前面に出てしまうことが多いような気がします(でも、それもまた好き)。でも、この栗はこれだけ見た目の存在感を放ちながらも、あくまでも羊かんの栗として、佇んでいらっしゃる。ようかんというからには、あくまで餡が主役ですもんね。
それから西むらさんのようかん、ムチっとした食感が、特徴的です。葛を使っているから?
とってもお上品なようかんでした。思い返してみれば、ようかんといえば「練り羊羹」を食べたことはあっても、「蒸し羊羹」ってこんなふうにきちんと味わったことなかった。羊羹といえば、寒天でぎちぎちに固められた、光沢感のあるものを思っていた。はずかし。
個人的には、もうちと栗の深い風味があってもよいと思いますが、これは好みの問題でもあるような気もします。
またどら焼きを味わいにお世話になります。ごちそうさまでした。